SPECIFIC MIGRATION LIMITS Software (SML7  旧 SML6)

Prediction of Migration Rate of Species
from Packaging Materials to Packed Goods
食品梱包材(Food Contact Material)の食品への溶出量を予測します。
  1. 移行モデルを採用したSML7ソフトウェアにより、プラスチック多層包装の有機物質が  食品疑似溶媒に移行する拡散速度と分配係数を評価できます。
  2. 解析結果は、プラスチック食品接触材料および食品包装材における物質移行挙動を評価するための科学的根拠として、EU規制およびスイス法規に基づく特定移行制限(SML)への適合性確認に活用できます。
  3. 移行プロセスのシミュレーションは、拡散速度がFickの拡散第2法則に従うことに基づい ています。
  4. 任意の温度条件および時間条件での移行プロセス・シミュレーションが可能です。
  5. 印刷物におけるSET-OFF(裏移りによる食品への物質移行)の評価にも対応しています。
  6. 更新されたポリマーのマスターデータベースと必要に応じてユーザーデータベースの構築が可能です。
  7. 食品包装パッケージの設計・改善や、材料選定における検討をサポートします。

 

AKTS SML7 は、「移行モデル(Migration Model)」を採用した食品包装材向けの溶出シミュレーションソフトウェアです。ポリマー名、移行物質(Migrant)の名称と濃度、食品疑似溶媒(Simulant)、および溶出温度条件を設定することで、食品への溶出量(SML値)をシミュレーションできます。
この移行モデルは、代表的な食品包装材ポリマーを対象として、ポリマーに含まれる数多くの移行物質(添加剤、酸化防止剤、有機化合物など)について蓄積された膨大な溶出試験データを解析することから開発が始まりました。EU諸国の公的研究機関が共同研究を行い、ポリマー中の移行物質(Migrant)が食品疑似溶媒(Simulant)へ移行するメカニズムを理論的に解明した結果、食品包装材から食品への物質移行を予測する「移行モデル」が体系化されています。
AKTS社は、この移行モデルを基盤として、MDCctec Systems社およびスイス連邦食品安全獣医局(FSVO)と共同でSML7ソフトウェアを開発しました。
SML7では、対象となる食品包装材からの溶出量を予測し、その結果が特定移行制限(SML:Specific Migration Limit)を超えるかどうかを判定できます。その基本的な考え方をFig1~Fig3のイラストを用いてご紹介します。

SML7の開発背景や解析理論、各種機能についてさらに詳しく知りたい方は、AKTS社のホームページをご覧ください。Google Chromeの翻訳機能を利用することで、日本語で閲覧できます。一部の専門用語は直訳される場合がありますが、全体の内容をご理解いただくうえで大きな支障はありません。
 
移行モデルの基本となるのが、ポリマー中で起こる「拡散現象」です。
例えば、ポリマーフィルムの上層に茶色の物質、下層に灰色の物質が均一に存在しているとします。時間の経過とともに、それぞれの物質は濃度差によって互いに拡散し、最終的にはポリマー全体で均一な濃度分布になります。
SML7では、このようなポリマー中の拡散現象と、食品疑似溶媒への移行現象を理論モデルとして組み合わせることで、実際の溶出試験を行わなくても、食品への移行量(SML値)を高い精度で予測することができます。

Fig_01

ポリマー内部の有機物質(Migrant)が移動する現象は拡散現象であり、Fickの第2法則に従うことが知られています。Fig_01の赤文字で示された D は拡散係数を表します。
図中の P はポリマー(Polymer)、M は食品疑似溶媒(Medium)を意味します。
拡散係数は、移行物質(Migrant)の分子サイズおよび温度に依存します。
一般に、分子サイズ(分子量)が大きい物質ほど拡散速度は小さく、分子量が小さい物質ほど拡散速度は大きくなります。

Fig_02

拡散速度は温度に依存し、拡散係数はアレニウス式に従い温度上昇とともに増加することが知られています。
拡散係数は、移行物質(Migrant)がポリマー中をどの程度の速度で移動するかを表す重要なパラメータです。拡散係数 D の単位は cm²/s で表されます。
AKTS SML7では、移行モデルの基礎となるPiringerのAp値モデルを利用し、汎用ポリマー
および移行物質の組み合わせに対する拡散係数を計算します。
また、ガラス転移温度(Tg)を考慮した拡散係数の推定手法も採用しています。

Fig_03

一方、食品疑似溶媒(Simulant)へ移行物質(Migrant)がどの程度移行するかを決定する重要なパラメータが分配係数です。
分配係数は、移行物質がポリマー中に残りやすいか、または食品疑似溶媒へ移行しやすいかを示す指標であり、SML7ではこの分配係数を用いて溶出量を予測します。
Fig_03では、分配係数は平衡状態(十分な時間が経過した状態)における移行物質の濃度比として定義されています。理論的には、移行物質のポリマーに対する溶解度と、食品疑似溶媒に対する溶解度との比から求められます。
しかし、移行物質のポリマーに対する溶解度データは一般に入手が困難です。
そのため、SML7では**Log Pow(オクタノール/水分配係数)**を利用して、食品疑似溶媒との分配係数を推定する「Powアプローチ」を採用しています。
 
これらの考え方を理解することで、SML7がどのような理論に基づいて溶出量を予測しているかを理解でき、シミュレーション結果を適切に評価・活用できるようになります。


AKTS SML7ソフトウェアの詳細については、
ここをクリックしてください。

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